ようやくヒメグンバイ Uhlerites debilis の産卵を撮影することができました。クヌギやコナラ、アベマキなどに極めて普通なグンバイムシで、春から夏にかけてはこちらのような、葉裏の主脈に並んだ産卵痕もいくらでも見つかるのですが、産卵の場面はこれまでどうしても撮影することができなかったのです。それがこの日は幸運にも、それぞれ別の木で2匹の産卵行動を見ることができました。
最初の♀です。頭上のアベマキの葉裏で、主脈の上に陣取っているグンバイが見えたので引き下ろして覗いてみると、ちょうど産卵管を差し込んでいました。
数枚撮るうちに産卵を終えたようで、やはり警戒しているのかそのまま立ち去ってしまいました。腹端から粘液のようなものが出ているように見えます。
すぐ近くの別の木、昨年10月に大量の成虫が集まっているのを見た同じアベマキですが、ちょうど産卵管を突き刺したばかりのメスがいました。周りをうろついていた別個体が手前にぼやけて写っています。
産卵中の♀が気になるのか、他個体も見守って(?)います。足元の黒い球は排泄物でしょう。
産卵管を抜いたところ。ここまで6~7分かかりました。
同じ♀が、今度はさきほど産卵したあたりに口吻を立てています。
深く突き刺すでもなく、口吻の先で探っているように見えます。
やがて口吻を立てていたあたりに産卵管を突き刺しました。以前掲載したナシグンバイの産卵でも同じような行動を見ましたが、産卵管のための下穴でもあけているんでしょうか。
上の部分拡大。産卵管には細かな筋が多数入っています。
所要時間はやはり6分ほどでした。先の2例と同様、産卵管を抜いた後に粘液のようなものが盛り上がっていますが、これはやがて固まって産みこまれた卵を守る役目を果たすのではないかと想像しています。
(2024.05.11・明石公園)
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